モンテファルコの隠れた驚異
昔ながらの料理、ルビー色のワインと銀色のオリーブの木など、ウンブリア州には多数の宝物が生まれている。ウンブリアの町を歩くとまるで時が止まったようである。今回の旅はモンテファルコとアッシジを訪れる。
モンテファルコは高い地域にあり、ウンブリアの手すりとも呼ばれる。ここからペルージャ、フォリーニョ、アッシジなどなどのウンブリアの町々とその後ろのアペニン山脈がはっきり見える。または見えるところまで広がるオリーブとワイン畑が息をのむ景色である。
町の中心に移動すると1336年に建てられた聖フランチェスコ教会がある。現在では美術館として使われており、べノッツォ・ゴッツォリによって15世紀に描かれたフレスコ画とペルジーノのキリスト降誕が見どころである。
13世紀にできた聖アゴスティーノ教会ではモンテファルコの祝福された巡礼者の伝説の元である。その伝説によると1300年に聖キアレッラと聖イッルミナータの遺体のもとで祈るために教会に入った。深夜まで残り、跪いているまま、寝落ちた。朝になると教会の管理者が巡礼者を起こそうとすると、巡礼者が死んだことに気づいた。そして管理者が巡礼者を埋葬した。だが翌日の朝、また祈っている姿勢の巡礼者がいた。何回埋葬しても何度も巡礼者が同じ場所に同じ姿勢で現れていた。修道士たちが鐘楼に置くことを決めた。700年後の現在でも聖アゴスティーノ教会の鐘楼に行けば、ガラスケースに入っている、700年前と同じ姿勢の巡礼者が見られる。
教会をでると、今度はモンテファルコの料理の番だ。モンテファルコではウンブリアの代表的な品種のサグランティーノが植えている。品種の由来がまだはっきりされていない。スペインから輸入されたという考え方もあれば、地方の土着品種であるという考え方もある。ミサ用甘いワインを作るためにベネディクト修道士に育てられていた。植える収穫量が豊富ではなかったが、ブドウの実が小さく、皮がポリフェノールに満ちて、カビや寄生に強い作りであり、乾燥させるには最適の状況である。サグランティーノの強いタンニンを弱めるべく、ブドウの乾燥により、糖分が濃縮し、ワインの硬さが弱める。つい1970年からだけは、現在の技術のおかげで、辛口のサグランティーノも製造し始めた。それから大人気出て、1979年にDOCG認定された。
サグランティーノと料理のマリアージュなら、辛口の場合はモンテファルコの二つの伝統料理の黒トリュフ乗せサグランティーノ煮込みフィレか詰め込み鳩肉がおすすめだ。サグランティーノの甘口の場合はベリーとチョコレートのケーキかアッシジ名物のロッチャータという、カカオやナッツ、スパイスの入ったパイ生地の菓子である。